運よく低価格なケーブルを入手できたとしても、テレビに接続した際に「E202エラー(信号を受信できません)」が表示されたり、ブロックノイズが発生したりする事象が頻発します。このアンテナケーブルが100均製品で映らない理由には、明確な電気工学的背景が存在します。
テレビ放送の信号は、75Ω(オーム)のインピーダンスを持つ同軸ケーブル内を高周波として通過します。特にBS/CS放送や新4K8K衛星放送は、地上波(約470〜710MHz)よりも遥かに高い1032〜3224MHzという超高周波帯を使用します。安価な細径ケーブル(2.5C相当)や簡易シールド構造の製品では、ケーブル内部を電波が通る過程で急激にエネルギーが失われる「伝送損失(減衰)」が発生し、チューナーに必要な電波強度を維持できません。
さらに見逃せないのが、現代の住環境における電波干渉です。家庭内に飛び交うWi-Fiルーターの電波(2.4GHz/5GHz帯)やスマートフォンの通信波が、遮蔽(シールド)の甘い低価格ケーブルに飛び込み、信号を破壊してしまうのです。