インターネット上の掲示板や知恵袋、SNSの恋愛相談を丹念に追跡調査すると、意外な事実が浮かび上がってきます。「派手で完璧な美女には気後れするが、どこか幸が薄そうな女性には強烈に惹かれてしまう」という男性の書き込みが、世代を問わず膨大に存在する点です。大手マッチングアプリ運営各社が公開するアンケート傾向でも、「守ってあげたくなる女性」「飾らない素朴さを持つ女性」は常に上位へ君臨し続けています。
社会心理学および進化心理学の観点からこの現象を紐解くと、そこには男性特有の3つの深層心理メカニズムが働いていることがわかります。
第一に「庇護欲(プロテクト欲求)の強烈な喚起」です。生物学的に、男性は「弱さを感じさせる存在」「自分が守らなければ崩れてしまいそうな対象」に対して強い関心と愛着を抱きやすい傾向を持ちます。圧倒的な自信に満ちた人物よりも、少し翳(かげ)りのある表情を見せる人に対し、「自分が支えて笑顔にしてあげたい」というヒーロー願望が刺激されるのです。
第二に「威圧感のなさによる心理的安全性の獲得」です。華やかすぎるルックスや隙のない立ち居振る舞いは、相手に「拒絶されるかもしれない」という恐怖を与えます。一方、主張の強すぎない顔立ちは敷居を下げ、自己開示を容易にします。「この人の前なら背伸びをせずにありのままでいられる」という安心感が、結果として深い好意へと発展します。
第三に「希少性とアンニュイな色気」です。常に太陽のように明るいキャラクターが好まれる一方で、ふとした瞬間に見せる憂いを帯びた横顔は、言葉にできない艶っぽさ(情緒)を醸し出します。手に入りそうで入らない、どこか遠くへ消えてしまいそうな危うさが、相手の執着心を強く煽る仕掛けとなっているのです。