テーマパークやプロスポーツのマスコットは通常、複数名のパフォーマーがローテーションで担当するか、数年周期で代替わりするのが通例です。しかし、つば九郎に関しては「歴代担当者は実質1人(足立歩氏の専任体制)」という見解が有力視されています。その最大の根拠は、30年以上にわたって寸分違わぬ筆跡、独特の歩き方、そして毒舌の切れ味です。
にもかかわらず、定期的に「交代説」が浮上する背景には、過酷な労働環境とパフォーマーの高齢化問題が存在します。真夏の明治神宮球場はグラウンドレベルで気温40度近くに達し、通気性の乏しいスーツ内部の体感温度は50度を超えます。激しい消耗を伴う現場において、つば九郎がイベント出演をセーブしたり、遠征を回避したりするたびに「ついに中の人が引退・交代したのではないか」という憶測が広がる構造です。
さらにネット検索で散見される「つば九郎 死亡説」の真相はどうでしょうか。調査の結果、この物騒な噂には2つの明確な発端がありました。1つは、過去に別の特撮番組で活躍した著名なスーツアクターや着ぐるみ制作関係者が逝去された際、ネットニュースの文脈が曲解されて拡散したケース。もう1つは、つば九郎自身の公式ブログ『つば九郎ひと言日記』における自虐ネタです。
ブログ内で頻繁に登場する「つうふう(痛風)」「かんぞうのすうち(肝臓の数値)」「しんぞうがばくはつしそう」といった不摂生アピールが、一部のまとめサイトで誇張され、「中の人が重病で倒れた」「急死した」といったデマへと変貌を遂げました。実際には現在も健在であり、徹底した体調管理のもとでグラウンドに立ち続けています。