教育現場の取材において頻出するモンスターペアレントの実例は、一般的な相談や教育相談の枠組みを遥かに超えています。教育関係者の証言や自治体の相談記録から浮かび上がるのは、理不尽極まりない要求に昼夜を問わず振り回される教員たちの過酷な日常です。
小学校における代表的な苦情事例として挙げられるのが、「うちの子が朝起きられないから毎朝担任がモーニングコールをして起こしに来い」「運動会の徒競走で転んだのはグラウンドの整備ミス。タイムを測り直して順位を繰り上げろ」「仲の良い特定の友達と必ず同じクラス・隣の席に固定しろ」といった個人的都合の組織への押し付けです。さらに、給食費の未払いを正当化しながら「給食の献立が子どもの好みに合わない」と毎日職員室に怒鳴り込む事例も報告されています。
幼保現場における保育園のモンスターペアレント対策も急務となっています。「園庭遊びで靴や服が泥で汚れたから弁償しろ」「他の園児がくしゃみをしたせいで風邪がうつった、治療費と仕事を休んだ休業損害を支払え」といった無理難題が日常茶飯事となっています。連絡帳への過度な長文詰問や、保育時間外の深夜に及ぶ私用スマートフォンへの連続着信など、保育士個人を標的にした執拗な攻撃が現場の離職率を押し上げる要因となっています。