羽生家の教育方針における最大の特徴は、「子どもの主体性を重んじ、逃げ道を安易に作らない」という点にあります。幼い羽生さんが練習の厳しさに弱音を吐き、「スケートをやめたい」と口にした際、両親は「嫌ならやめてもいいんだよ。ただし、中途半端に続けることだけは許さない」と突き放し、自らの意志で選択させました。
また、失敗した際にも頭ごなしに怒ることはなく、「なぜ失敗したのか」「次はどう改善すべきか」を論理的に考えさせる対話を重ねました。この思考習慣が、羽生さんの卓越した自己分析能力と、ジャンプの回転軸や力学を客観的に捉えるクレバーな競技スタイルへと結実したのです。