2019年1月に突如として発表された現役引退会見でも、「身体のどこかが限界だったのではないか」「隠れた大怪我や病気が引退理由では」と詮索する声がありました。
会見の中で吉田さん自身が語った引退理由の本質は、「やりきったという達成感」と「次世代へのバトンタッチ」でした。リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した後、後輩たちの急成長を間近で見守る中で「日本の女子レスリングを引っ張る役目を終えた」と実感したことが引き金となっています。
もちろん、30年以上にわたる競技生活の中で、頸椎の捻挫や膝の負傷など満身創痍の時期はありました。しかし、選手生命を脅かすような回復不能の病や致命的な機能障害によって引退を余儀なくされたわけではありません。肉体的にも精神的にも自ら納得した上での、名誉ある勇退でした。