猫にネギを与えてはいけない最大の理由は、ネギ属の植物に含まれる有機硫黄化合物(アリルプロピルジスルフィドやチオ硫酸塩など)にあります。人間はこの成分を体内で安全に代謝・無毒化できますが、猫の体内にはそれを分解する酵素が存在しません。
体内に吸収された有機硫黄化合物は、血流に乗って全身の赤血球に強力な酸化ストレスを与えます。その結果、赤血球内のヘモグロビンが変性して「ハインツ小体」と呼ばれる塊が形成され、赤血球の膜が脆くなって次々と破裂していきます。これが猫のネギ中毒による溶血性貧血のメカニズムです。
体内の酸素運搬を担う赤血球が急激に破壊されると、全身が深刻な酸欠状態に陥るだけでなく、破壊された赤血球の老廃物を処理しきれずに急性腎障害や肝機能不全を併発し、最悪の場合は多臓器不全で命を落とします。