ネット検索で「パワースポット属性」と入力すると、サジェスト候補に「行ってはいけない神社」「逆効果」といった不穏な文言が上位に並びます。「自分の属性と合わない神社に参拝したら、直後に事故に遭った」「体調を崩して寝込んだ」といった個人の体験談がSNSで拡散され、恐怖を抱く人が増えているのが実情です。
しかし、取材班が神道関係者や医療従事者にヒアリングを行った結果、この「逆効果」の噂には極めて現実的なメカニズムが存在することが判明しました。
第一に、肉体的な過労と気候変化の影響です。 有名なパワースポットは深山幽谷や長大な石段の先に鎮座しているケースが多く、都市部からの長距離移動、標高差による気圧・気温の変化が参拝者の身体に大きな負荷をかけます。普段歩き慣れていない人が無理な日程で遠征すれば、自律神経が乱れ、発熱やめまいを引き起こすのは医学的にごく自然な現象です。温泉地で起こる「湯あたり」と同様、環境急変に対する生理反応を、スピリチュアルな「気あたり」や「属性の不一致」と誤認しているケースが多々見受けられます。
第二に、心理学における「ノーシーボ効果」と「確証バイアス」です。 「相性の悪い神社に行くと悪いことが起きる」とあらかじめ強く意識していると、参拝後に起きた日常的な不運(鍵を落とす、仕事でミスをする等)をすべて神社のせいに結びつけて記憶してしまいます。数千年にわたり地域を守護し、万民の安寧を祈ってきた神社側の歴史的観点から見ても、「属性が違うから」という理由で無辜の参拝者に祟りや災厄をもたらす神仏の教義は存在しません。