騒動から歳月を経た「石景山遊楽園の現在」は、一体どのような姿をしているのでしょうか。現地を訪れる旅行者や、中国の大手SNS(小紅書=RED、Weibo)に投稿されたリアルな生の声から、現在の現場の空気を紐解きます。
現在、石景山遊楽園のゲートをくぐると、2007年当時の異様な緊迫感や悪質な海賊版グッズの姿は皆無です。シンデレラ城を模して造られた巨大な城は取り壊されることなく現存していますが、外壁は塗り直され、「幻想的なヨーロッパ風キャッスル」という曖昧な位置付けで記念撮影スポットとして機能しています。
現地の利用客や日本人旅行者の口コミを検証すると、意外にも好意的な評価が目立ちます。
「入園料が10元(約200円強)と破格で、週末に子どもを連れて散歩するには最高。上海ディズニーのような数時間待ちのストレスが一切ない」(北京在住ファミリー・Weibo投稿)
「かつてのパクリミッキーはいませんでしたが、観覧車から北京の街並みが一望でき、中国の80〜90年代のノスタルジーを感じるエモい場所になっている」(日本人観光客の手記ブログ)
「夜のイルミネーションや春節のイベントは意外と気合が入っている。パクリ騒動を知る世代からすると拍子抜けするほど普通の遊園地」(小紅書投稿)
現場観察から見えてくるのは、かつての国際的スキャンダルを乗り越え、地元住民に愛される「北京の浅草花やしき」「昭和レトロな地方遊園地」として完全に日常へ溶け込んでいる姿です。園内では中国国産の人気アニメやゲームと正式にライセンス契約を結んだ安全なタイアップイベントも開催されており、かつての泥臭い著作権無法地帯の面影は過去のものとなっています。