ネット上では過去に様々な憶測や都市伝説が飛び交いましたが、休載が長期化する絶対的な主因は、長年患っている重度の腰痛(腰椎・神経性の障害)です。この事実は、2022年に開催された画業35周年記念「冨樫義博展 -PUZZLE-」の公式直筆メッセージにおいて、作家本人の手によって赤裸々に語られました。
当時の手記には「椅子に座って描くことができず、寝た姿勢でクッションを挟みながら執筆せざるを得ない時期があった」「お尻を拭くポーズが取れず、便をするたびにシャワーを浴びていた」という、日常生活すら破綻しかねない過酷な闘病体験が記されていました。この告白は、単なるスランプやモチベーション低下ではなく、不可逆的な身体の損耗と戦いながら創作活動を続けている実態を世に知らしめました。
近年は治療と並行し、作画姿勢の工夫やアシスタントへの作業分担(背景や人物以外の指定を詳細な文字・ラフで行う分業体制の高度化)を進めることで、執筆活動の継続性を高めています。しかし、ペンを握る行為そのものが神経に負担を与えるため、無理なペースアップを行えば再び完全な執筆停止に追い込まれるリスクを常に抱えています。