中古市場で破格の査定額が跳ね上がる最高峰の五月人形には、明確な共通点がある。それは、老舗人形店の手掛ける伝統工芸品である点だ。
歴史を紐解くと、端午の節句に鎧兜を飾る風習は、徳川家康をはじめとする戦国武将たちが自らの武勇と一族の繁栄、そして命を守る甲冑への敬意を込めた儀式に由来している。そうした歴史的ストーリーを体現する「江戸最古の人形店」として知られる吉徳大光などの老舗ブランド作品や、名匠と呼ばれる甲冑師が仕立てた兜飾り・鎧飾りは、単なる季節の飾り物を超えた美術工芸品として取引される。
職人の手仕事による純金箔押し、正絹の威し(おどし)、本革を用いた細工など、意匠の細部までこだわり抜かれた逸品は、海外のコレクターや日本文化の愛好家からも高い関心を集める。もし手元にある品が伝統工芸士の銘入りであれば、処分を急ぐ前に専門の骨董品・美術品鑑定士による査定を受ける価値が十二分にある。