日本における蛸壺漁の歴史は驚くほど古く、兵庫県明石市周辺や瀬戸内海沿岸の遺跡からは、弥生時代や古墳時代の「蛸壺土器」が数多く出土しています。2000年以上も前の古代人たちが、すでにタコの習性を熟知して壺を使った漁を行っていた事実は驚嘆に値します。
とりわけ激しい潮流で育ち、身の締まりと旨味で知られる「明石ダコ」の産地では、明石の蛸壺漁法が伝統として受け継がれてきました。かつては素焼きの陶器製壺が主流でしたが、時代の変遷とともに道具の素材にもイノベーションが起きています。
現在では、軽量なプラスチック製の内側に砂やセメントの重りを仕込んだハイブリッド型や、タコが好む適度なザラつき加工を施した樹脂製壺が広く普及し、伝統の知恵と現代技術が融合しています。