分譲マンションの「分譲」とは、「分割譲渡」の略語です。1棟の集合住宅を1戸ごとの住戸に分割し、それぞれを別々の購入者に販売(譲渡)する形態を指します。これに対して賃貸マンションは、不動産会社や個人オーナーが1棟丸ごと、あるいは個別の部屋を所有し、入居者は毎月の賃料を支払って使用権を得る仕組みです。
法律上、分譲マンションの権利関係を規定しているのが「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」です。購入者が手に入れるのは、室内空間である「専有部分」の所有権だけではありません。エントランス、廊下、エレベーター、外壁といった「共用部分」の持分割合、さらにはマンションが建つ土地の「敷地利用権」が一体となった権利を取得します。この3つの権利は法的に分離して処分することが原則として禁じられており、1室を購入した瞬間から、他の全所有者とともに建物全体を維持・保全する運命共同体の一員となります。
ここで押さえておきたいのが、市場で耳にする「分譲賃貸」という形態です。これは、分譲マンションとして販売された個別の住戸を、購入したオーナーが第三者に賃貸物件として貸し出しているケースを指します。入居者から見た分譲賃貸の最大のメリットは、一般的な賃貸専用マンションに比べて床や壁の遮音性が高く、ハイグレードな住宅設備や充実した共用施設を、初期の巨額投資や固定資産税の負担なしに享受できる点にあります。退去の自由を担保したまま高品質な居住環境を手に入れられるため、転勤族や将来の選択肢を狭めたくない層から根強い支持を集めています。