日本の冷製麺シーンを語る上で、イタリア料理のパイオニアたちの功績は外せない。名店「ラ・ベットラ」の落合務シェフが長年培ってきたクラシックな技術は、トマトの湯むきや丁寧な種取り、素材の温度管理など、今なお基本の骨格として料理愛好家に支持されている。
一方で、現代の自炊シーンを席巻するのが料理研究家・リュウジ氏をはじめとするクリエイターたちだ。YouTubeを通じて発信される「虚無ボウル」やワンパン調理、めんつゆや白だしを効かせたアプローチは、伝統の枠組みを軽やかに飛び越える。重厚な正統派と、合理的でパンチの効いたバズレシピ。この二つの潮流が交差することで、家庭の冷製パスタはより豊かで自由な進化を遂げている。