広葉樹 針葉樹 描き分けは、風景画の説得力を左右する極めて重要な要素です。樹種に応じた骨格の差異を理解しないまま描くと、スギやヒノキを描いたつもりがモミジのように見えてしまうといった不整合が起こります。
広葉樹(ケヤキ、クスノキ、サクラなど)の特徴:
幹は比較的低い位置から放射状に枝分かれし、全体のシルエットはドーム型や楕円形を描きます。枝の分岐角度は45度から60度前後と広く、しなやかに曲線を描きながら上空へと広がります。葉の塊(マッス)は横方向に連なる傾向があり、雲が層をなすような柔らかい陰影のグラデーションを多用して描くのが基本です。
針葉樹(スギ、マツ、モミなど)の特徴:
主幹が地面から垂直に一本真っ直ぐ天に向かって伸び、そこから規則正しい間隔で水平、あるいはやや下向きに枝が張り出します(円錐形のシルエット)。枝の分岐は鋭角的で直線的です。葉は短く細密な針状であるため、マッスで捉えるよりも、下向きに重なる三角形の傘が幾重にも積み重なった構造として明暗を捉えます。タッチは縦や斜めの鋭利なストロークを多用し、幹の直線性と対比させることがポイントです。
両者を描き分ける際は、まず「一本の主軸が上まで貫いているか(針葉樹)」、それとも「途中で主軸が分かれて消えるか(広葉樹)」を骨格段階で見極めることが決定的な分岐点となります。