多くの家庭用ステップ台で基本設定となっているのが「10cm」と「15cm」の2段階です。わずか5cmの差ですが、実際に身体にかかる負荷には想像以上の隔たりが存在します。国立健康・栄養研究所が公表している「身体活動のメッツ(METs)表」および各種フィットネス実測データを照らし合わせると、踏み台昇降10cmと15cmの違いは数値にも明確に表れています。
10cmの高さで毎分80〜90歩程度の一定ペースを維持した場合の運動強度は約3.5METs(平地をやや速めに歩くウォーキングと同等)です。これに対し、高さを15cmに設定すると、運動強度は約5.5METs(軽いジョギングや平地でのサイクリングと同等)まで急上昇します。たった5cm台を高くするだけで、仕事量は約1.5倍に膨れ上がる計算です。
踏み台昇降消費カロリー比較において特筆すべきは、「消費カロリーの総量」は高さ単体ではなく「高さ×時間」の積で決まるという原則です。15cmで息を切らしながら10分でギブアップした場合の消費エネルギーは約60kcalに過ぎませんが、10cmで余裕を持って30分間マイペースに続けた場合は約120kcalを無理なく燃焼できます。心拍数を会話ができる程度のレベル(最大心拍数の60%前後)に維持できる高さこそが、体脂肪を優先的に燃やす生理学的スイートスポットです。