日本におけるイタリア料理界のパイオニアである落合務シェフは、冷製パスタにおける「塩分濃度」の重要性を説き続けてきた。人間の舌は、温度が下がると塩味や旨味を感じにくくなる性質を持つ。そのため、通常の温かいパスタを茹でるとき(約1%)よりも高い、1.2〜1.5%の塩分濃度で麺を茹で上げることが必須条件となる。
一方、素材の持ち味を最大限に引き出す名匠・日高良実シェフは、器や調理器具の「温度管理」を徹底する。ボウルはもちろん、盛り付ける皿を直前まで冷凍庫で冷やしておく。サーブした瞬間のキレのある冷たさこそが、素材本来のアロマを際立たせるスイッチになるからだ。