なぜ、これほど大規模な見直しが必要だったのでしょうか。高速道路の深夜割引が見直された理由と背景には、長年放置されてきた道路交通上の深刻な安全問題と、トラックドライバーの労働環境悪化という構造的要因が存在します。
旧制度下では「0時を1秒でも過ぎて料金所を出れば、長距離走行の全区間が割引になる」というルールであったため、23時台になると本線料金所の手前やインターチェンジ手前の路肩、サービスエリア・パーキングエリアの通路に割引適用を待つ大型トラックや乗用車が滞留する「0時待ち」が常態化していました。この滞留車両が引き起こす追突事故や、緊急車両の通行妨害、PA内の満車による一般利用者の休息機会の喪失は、社会的な危険水域に達していたと道路関係者は指摘します。
また、物流業界における時間外労働規制(いわゆる2024年問題以降の労務管理)の観点からも、ドライバーが無意味な待機時間を強いられ、睡眠時間を削って0時以降に一気に飛ばす走行パターンは是正が急務でした。時間を22時からに前倒しし、走った分だけを公平に割り引く仕組みに改めることで、走行時間の分散と安全な休息の確保を図る狙いがあります。