都心の隠れ家か最先端拠点か、変貌する紀尾井町の全貌と歩き方

都心の隠れ家か最先端拠点か、変貌する紀尾井町の全貌と歩き方

都心の隠れ家か最先端拠点か、変貌する紀尾井町の全貌と歩き方にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

この土地を語る上で避けて通れないのが、建築界の巨匠・丹下健三が手掛けた旧グランドプリンスホテル赤坂の新館、通称「赤プリ」の存在だ。あの鋭利なギザギザのファサードは、昭和の終わりから平成初期にかけて、東京のラグジュアリーと消費文化のアイコンだった。だが時代は変わり、歴史は次代の息吹を求めた。

名門の重圧を背負いながら西武ホールディングスが主導した紀尾井町再開発プロジェクトは、日本の都市再開発事業におけるひとつの転換点となった。単に容積率を稼ぐだけの巨大建築ではなく、高低差約30メートルの紀尾井町の起伏を活かし、水と緑を立体的に配置した複合型商業施設へと昇華させたのだ。隈研吾らが牽引する現代日本の「木と自然の調和」という文脈にも通じる、地形の記憶を尊重したランドスケープデザインがここには息づいている。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。