「教員はどれだけ残業しても残業代が出ない」と言われる背景には、1971年に制定された「給特法(公立の義務教育諸学校等の教員を正規の勤務時間を超えて勤務させること等に関する政令)」の存在があります。この法律により、公立教員には時間外勤務手当や休日手当が一切支給されない代わりに、基本給の一律4%が「教職調整額」として上乗せ支給されてきました。
しかし、制定当時に想定されていた「月数時間の残業」という前提は完全に崩壊しています。文部科学省の勤務実態調査でも明らかなように、小学校教員の多くが月40〜60時間以上の時間外労働を余儀なくされており、実態と給与制度の乖離が「定額働かせ放題」という強い批判を生む温床となってきました。
こうした構造的不条理を打破すべく、教職調整額の増額(2026年最新の議論)として、給特法見直しによる調整額の現行4%から10%超(最大13%程度)への引き上げや、管理職手当・主任手当の拡充が中央教育審議会などで本格化しています。しかし、現場教員からは「パーセンテージを多少増やされても、実質的な残業時間への対価としては全く足りない」「お金ではなく持ちコマ数削減や業務切り離しが先だ」という切実な声が根強く上がっています。