彼の名を日本映画史に深く刻みつけた原点といえば、入江悠監督のメガホンによる映画『SR サイタマノラッパー』(2009年)およびその続編『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(2010年)だろう。彼が演じたMC MIGHTYというキャラクターは、過疎化した地方都市の焦燥感と、やり場のない苛立ちをそのまま形にしたかのような存在だった。
吹き替えなしで魅せた圧倒的なラップパフォーマンスと、荒削りながらも剥き出しの感情を叩きつける演技は、当時のインディーズ映画界に大きな衝撃を与えた。単に「不良」や「敵役」を演じるのではなく、キャラクターが抱える孤独の深さを一瞬の目線や呼吸だけで表現してみせた。この作品によって、彼のキャリアは華々しいスター街道という形ではなく、玄人筋を唸らせる唯一無二の実力派としてスタートを切ることになった。