パームが読者の前に姿を現した瞬間を覚えているだろうか。ボサボサの長髪に包丁を握りしめ、師匠であるノヴに対して異常なまでの愛憎をぶつける姿は、初見の読者に強烈な不安と寒気を植え付けた。感情の起伏があまりにも激しく、情緒不安定な彼女の挙動は、苛烈を極めるキメラ=アント討伐隊の緊迫感の中で一際異様な空気感を放っていた。
しかし、その常軌を逸したメンタリティこそが、彼女の念能力の源泉でもあった。自らの血を捧げることで水晶球に遠方の対象を映し出す監視能力は、潜入作戦において替えの利かない絶対的な武器となったのだ。狂気の裏側に隠された凄まじい覚悟と執念。それは、過酷なハンターの世界で彼女が生き残るための唯一の鎧だったのかもしれない。