慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで大きな武功を挙げた黒田長政は、徳川家康から筑前国(福岡)52万石を与えられ、初代福岡藩主となりました。この地で築かれた福岡城の本丸や武具には、誇らしげに「黒田藤巴」が刻まれています。
官兵衛(如水)のトレードマークといえば、お椀を伏せたような独特な形状の「合子形兜(ごうすがたかぶと)」(如水円清兜)が有名ですが、長政もまた父の合理的な精神と藤巴の旗印を受け継ぎ、家中を強固に統率しました。
黒田家の藤巴は、一般的な藤紋と異なり、花が円を描くように巴(渦巻き)状にデザインされている点が特徴です。巴には「水が渦巻く=火災除け」や「魂の循環」という意味もあり、戦国を生き抜いた知将・如水の深い哲学がその造形美の中にも息づいています。