2000年代以降、彼の才能はさらに重厚なサスペンス映画や社会派ドラマで爆発する。とりわけ大きな転機となったのが、WOWOWで放送された『連続ドラマW 震える牛』(2013年)だ。食品偽装問題と複雑に絡み合う欲望の闇を追う執念の刑事役を、全身全霊を捧げた圧倒的なリアリティで演じきり、観客に強烈なトラウマと感動を残した。
既成概念にとらわれる大手芸能プロダクションのあり方とは一線を画し、作品の本質や役柄の深度だけを基準に仕事を選ぶスタイル。狂気と理性のギリギリの境界線を漂う彼の一幕一幕は、業界関係者からも「誰も真似できない唯一無二の怪優」と感嘆の声を浴びることとなった。