教育の出口である入試も、この変化と無縁ではいられない。2026年度の都立高校入試からは、単純な知識の暗記を問う問題が大幅に削減された。代わりに導入されたのが、シミュレーションデータを分析し、環境問題やエネルギー問題に対する解決策を記述させる論述形式の試験だ。
「公式を覚えているだけでは、もはや点数は取れません」と大手学習塾の分析官は指摘する。社会が求めるのは、知識を検索できる人間ではない。膨大なデータから法則性を見出し、新しい価値を創造できる人材だ。暗記の象徴だった語呂合わせは、今や思考をスタートするための最低限の共通言語に過ぎない。