「奪われた金銭は二度と戻らない」と諦めるのは早計です。日本の法制度には、被害金を取り戻すための厳格な枠組みが存在します。
代表的な救済策が「振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)」です。金融機関が犯人の口座を凍結した時点でその口座に残高(残余金)があれば、預金保険機構の公告手続きを経て、被害額に応じた「被害回復分配金」が支払われます。金融庁の通達により、オレオレ詐欺だけでなくSNS型投資詐欺やロマンス詐欺で指定された振込先口座も対象と認められています。
ただし、ここには冷徹なタイムリミットが存在します。詐欺グループは口座に着金した資金をわずか数分から数十分の間にネットバンキングやATMで引き出してしまうため、「口座に資金が残っているうちに凍結させられるか」が運命の分かれ道となります。
一方、クレジットカードによる決済被害や悪質な定期購入トラブルの場合、カード会社への「チャージバック(売上取消)申請」や割賦販売法に基づく「支払停止の抗弁」が有効な対抗策です。また、高額被害かつ振込先法人の実体がある場合や送金ルートが特定できている場合は、民事保全や損害賠償請求を視野に入れた弁護士相談 詐欺返金の専門チームへ依頼することで、法的な口座差押えや相手方交渉による回収の道が開かれます。