フライパンで魚を焼く際に身がくっついてしまう現象は、料理科学において「熱凝着(ねつぎょうちゃく)」と呼ばれます。魚の皮や身に含まれるタンパク質が熱せられる過程で、フライパンの金属表面と化学結合を起こすことが直接の引き金です。十分な予熱を行わずに冷たいフライパンへ直接魚を置いたり、油の膜が不均一だったりすると、瞬時にタンパク質が金属に食い込み、皮が剥がれ落ちてしまいます。
また、ししゃもの皮が破れる理由として見落とされがちなのが「内部の急激な水蒸気爆発」と「触りすぎ」です。特に卵がたっぷり詰まった子持ちししゃもは、強火で急激に加熱すると内部の水分が膨張し、逃げ場を失った水蒸気が皮を突き破って破裂します。焼き色が気になって何度も箸やトングでひっくり返そうとすることも、デリケートな皮を傷つける大きな要因です。