突然巨額の富を手にした代表例として挙げられるのが、宝くじの高額当せん者です。世間では「当せんすれば一生安泰」と思われがちですが、大金を手にした人のその後を追った客観的データは、極めて過酷な現実を示しています。
米全米経済研究所(NBER)などの調査によると、巨額の宝くじに当せんした人のうち、数年以内に破産を申請する割合は一般平均を大きく上回ると報告されています。日本国内でも、当せん金が非課税であるにもかかわらず、みずほ銀行が1,000万円以上の高額当せん者だけに配布する冊子『【その日】から読む本』が存在すること自体、大金で人生が狂う理由がいかに現実的な脅威であるかを物語っています。
突然の富によって人生を破滅させる人と、資産を守り抜いて幸福を維持できる人の間には、どのような決定的な違いがあるのでしょうか。各種調査データおよび取材記録をもとに、その分岐点を比較整理しました。
悲惨な宝くじ高額当選者の末路として頻繁に報じられるのが、親戚や友人からの執拗な金の無心、怪しげな投資話への全額出資、そして際限のない放蕩です。テレビ特番の取材や当事者の手記には、「当せんした翌日から、音信不通だった親族が『借金を肩代わりしろ』と怒鳴り込んできた」「金を貸さなかっただけで『冷酷な守銭奴』と罵られた」といった痛切な告白が並びます。巨額の資金は、本人だけでなく周囲の人間の欲望と本性をも同時にあぶり出す強力な触媒となってしまうのです。