この劇的な躍進を語るうえで避けて通れないのが、叡明高校と小松原高校の経緯です。同校の前身は、さいたま市南区にあった男子校の小松原高等学校でした。昭和から平成にかけては、良くも悪くも元気な生徒が集まる男子校としての知名度が高く、当時の学力水準や生活指導の様子を記憶している世代からは「まさかあの小松原が」という声が今なお聞かれます。
転機が訪れたのは2015年でした。学校法人小松原学園(現在は叡明・浦和麗明を擁する学校法人)は、創立50周年を超える節目に大規模な学校改革を決断。緑豊かな新興開発地である越谷レイクタウンへ全面移転し、校名を「叡明高等学校」へと改称、完全共学化に踏み切りました。系列校である小松原女子高校も「浦和麗明高等学校」へと改称し、両校揃って大規模な進学校化シフトを敷いたのです。
この改革が奏功した最大の要因は、「埼玉東部・南部および千葉県北西部からのアクセスの良さ」と「最新鋭の学習環境」を掛け合わせた点にあります。越谷レイクタウン駅周辺のクリーンな街並みと、開放感あふれる近代的なキャンパスは、旧来のイメージを完全に払拭しました。
さらに埼玉県特有の入試相談システム(北辰テスト等の結果をもとにした確約制度)において、入試難易度の基準を段階的に引き上げたことで、公立上位校・中堅校の併願校として定着。真面目で学習意欲の高い中学生が毎年安定して集まる好循環が生まれたことこそ、叡明高校の進学実績が急伸した決定的な理由といえます。