Q1:楕円曲線とモジュラー形式の関係を、数式なしで日常的な例えで言うと?
A1:まったく異なるルーツを持つ「DNA」が、実は完全に一致していたという関係です。楕円曲線を「ある生物の骨格(幾何学・代数)」、モジュラー形式を「高度な周期性を持つ音楽の波形(解析学)」と見立てた場合、一見まるで別物に見えるのに、骨格の持つ固有のリズムを調べると、完全に特定の音楽の波形と1対1で対応していたという奇跡を意味します。
Q2:なぜ「谷山・志村予想」から「モジュラー性定理」へと呼び名が変わったのですか?
A2:数学の世界では、未だ証明されていない仮説を「予想(Conjecture)」と呼び、数学的に厳密な証明が完了した命題を「定理(Theorem)」と呼ぶためです。ワイルズによる半安定楕円曲線の証明(1995年)、そして2001年の完全証明を経て反論の余地がない真理となったため、現在は「モジュラー性定理(Modularity Theorem)」が正式な学術名称となっています。
Q3:アンドリュー・ワイルズはなぜ7年間も研究を完全に秘密にしていたのですか?
A3:過度な世間の注目によるプレッシャーを避けるためと、研究の優先権争いに巻き込まれず集中するためです。フェルマーの最終定理に挑んでいると知られれば、世界中から詮索され、中途半端な段階で邪魔が入ることは明白でした。ワイルズは同僚に悟られないよう、過去の通常研究を小出しに発表してカモフラージュしながら、自宅の屋根裏部屋で孤独に計算を続けました。