米ナスステーキを焼くとき、肉を焼く時と同じような強火は御法度だ。じっくりと時間をかけてデンプンとペクチンを糖化させなければならない。
フライパンに乗せる際、冷たい状態からスタートするコールドスタートが一つの正解となる。油を引いた冷たいフライパンに米ナスを置き、点火して弱めの中火で立ち上げる。ゆっくりと温度が上がる過程で、米ナス自体の水分が蒸発しながら油を取り込み、細胞が壊れずにふっくらと膨らんでいく。
味付けは潔く、醤油とバターを最後に焦がすだけでいい。ガーリックチップを添えれば、目隠しをして口に運べば極上のヒレ肉と錯覚するほどの弾力とジューシーさが広がる。黒胡椒を一振りすれば、肉料理を完全に凌駕するメインディッシュの完成だ。