単に母乳の通りを良くするだけでなく、適切なマッサージには母体に対する多様なメリットが存在する。第一に、初乳から移行乳へ切り替わる時期に起こりやすい「おっぱいのガチガチな張り」を和らげる効果だ。乳房が固く腫れ上がると、赤ちゃんが乳頭をうまく咥えられず、結果として浅飲みによる乳頭亀裂を引き起こしてしまう。
第二に、乳腺炎の予防である。母乳の滞留(うっ滞)を防ぐことで、細菌感染や無菌性炎症の発生率を大幅に下げることができる。さらに第三として、胸周りの筋肉がほぐれることで血行が促進され、母乳の生成に必要な栄養が速やかに乳腺へと届くようになる。そして第四に、オキシトシンと呼ばれるホルモンの分泌が促され、子宮の回復を助けるとともに精神的なリラックスをもたらす点も見逃せない。