2007年夏、約7年におよぶ交際に終止符が打たれた。ファンサイトで突如として発表された別れの報は、列島に巨大な衝撃を与えた。「恋人という枠を超えて、家族のような、兄弟のような関係になった」——公式に綴られたその言葉の裏には、表現者としての過酷な葛藤が存在していた。
巨大芸能事務所(旧ジャニーズ事務所/現SMILE-UP.体制へと繋がる歴史の過渡期)を背負う長瀬と、音楽業界のコングロマリットを牽引する浜崎。二人の背後には、数千億円規模の経済効果と無数のステークホルダーがひしめいていた。私生活のすべてをエンターテインメントへと昇華させざるを得ない歌姫の宿命と、愚直なまでに表現の純度を求め続けたロックンローラーの矜持。互いを深く愛し、尊重していたからこそ、これ以上互いのクリエイティビティを縛り合わないための決断だった。
後に大きな話題を呼んだ自伝的小説およびABEMAでも配信されたドラマ『M 愛すべき人がいて』では、エイベックスを率いる松浦勝人との過去が克明に描かれたが、長瀬との7年間はそれとは全く異なる、純粋な魂の交歓としてファンの心に刻まれている。