実写化に伴うトーンの激変も、拒否感を加速させた大きな要因だ。祥伝社『FEEL YOUNG』で連載された、かわかみじゅんこによる原作漫画は、どこか浮世離れしたフランス映画のような軽やかさと詩的な空気感を纏っていた。紙の上では、背徳的な設定すらも耽美な寓話として昇華されていたのだ。
しかし、ドラマ版でメガホンをとった塚原あゆ子監督のリアリズムは、そのファンタジーを容赦なく実社会の質感へと引きずり下ろした。地方都市の湿度の高い空気、教室のざわめき、蝉の鳴き声、夕暮れの光陰。演出が精緻で圧倒的であればあるほど、中学生の制服を着た少年が生々しい欲望を露わにする瞬間は、見る者に生々しい現実の「事件」を想起させた。芸術性の高さそのものが、皮肉にもグロテスクさを際立たせるパラドックスを生んだと言える。