2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会。準々決勝のオランダ対ブラジルという事実上の決勝戦とも呼べる大一番で、西村氏は毅然としたジャッジを下した。ブラジル代表MFフェリペ・メロに対するレッドカード提示は、世界中に「毅然たる日本の審判」の存在感を知らしめる象徴的なシーンとなった。この大会での正確無比なレフェリングは、国際サッカー連盟(FIFA)からも極めて高い評価を獲得し、決勝戦では第4審判を務める栄誉に浴した。
その実績が評価され、アジアサッカー連盟(AFC)を代表するトップレフェリーとして君臨した西村氏は、4年後の2014 FIFAワールドカップ開幕戦、ブラジル対クロアチアの主審に抜擢される。世界中の数十億人が固唾を呑んで見守るオープニングマッチ。サッカー審判員としてこれ以上の重責と栄誉が存在するだろうか。彼は紛れもなく、世界のトップ・オブ・トップとしてピッチの中央に立っていた。