鳥羽ホテル小涌園がオープンしたのは、東京オリンピック翌年の1965年(昭和40年)4月のことでした。大手観光開発企業の藤田観光が手掛けた大型リゾートホテルとして、三重県鳥羽市安楽島(あらしま)の高台に誕生。当時としては極めてモダンな設備とスケールを誇り、伊勢志摩国立公園の美しい景観を存分に楽しめる宿泊施設として大きな話題を呼びました。
高度経済成長期からバブル期にかけて、鳥羽市は日本有数の観光地として急速に発展していきます。その中心的存在となった同館には、皇族をはじめとする数々のVIPが宿泊したほか、全国から大型観光バスが連日のように詰めかけました。海を望む大パノラマ、夏季に賑わう屋外プール、旬の海の幸をふんだんに使った会席料理など、まさに「誰もが一度は憧れるリゾート」としての地位を確立したのです。