彼女の名を決定づけた『リコリス・リコイル』の井ノ上タキナ役。冷静沈着で感情を表に出さない少女が、物語の経過とともに少しずつ人間味を獲得していく過程を、微細な声のトーンの変化で見事に表現してみせた。大声での叫びや泣きといった解りやすい感情表現だけでなく、ふとしたため息や語尾の余韻に宿る心情の機微。その緻密な芝居力は、アニメファンのみならず業界関係者からも絶賛を浴びた。
一方で、全世界で爆発的なヒットを記録した『ダンダダン』のモモ(綾瀬桃)役では、まったく異なる一面を開花させた。勢いのあるセリフ回し、テンポの良い掛け合い、そしてギャグシーンとシリアスシーンの鮮烈なコントラスト。静と動、クールとハイテンション。両極端なキャラクターをどちらも圧倒的なリアリティで演じ分ける器用さは、彼女が持つ表現の幅の広さを証明している。