古手梨花というキャラクターを語るうえで、声優・田村ゆかりの存在を外すことは不可能だ。「みー」「にぱー☆」という愛くるしい語尾で村人や仲間を魅了する無垢な神社の一人娘。その直後、声のトーンを極限まで落とし、冷ややかで達観した大人の声へと一変させる演技の切れ味は圧巻というほかない。
この凄まじい演じ分けこそが、作品全体が持つサイコホラーとしての緊張感を極限まで高めている。田村ゆかりが表現するのは、単なる「声の切り替え」ではない。100年という果てしない時を生きた老獪な精神と、幼い肉体という抗いようのない器との歪みだ。その演技力があるからこそ、視聴者は彼女の言葉一つに震え、同時にその背中に漂う抗えぬ哀愁に胸を締め付けられる。