なぜ家庭で作る冷しゃぶは、お店のようにしっとり仕上がらないのか。答えは極めてシンプルだ。タンパク質の急速な凝固と、冷水で急激に冷やすことによる「熱ショック」が原因である。
多くの人がやりがちなのが、沸騰したグラグラのお湯に肉を投入し、引き揚げた直後に氷水へドボンとつける工程だ。これは肉を硬くする最悪のパターンと言っていい。80度以上の高熱に晒された豚肉は筋繊維がキュッと縮み、内部の水分が外へ逃げ出してしまう。そこへ氷水で冷やすと、浮き出た脂分が瞬時に固まり、パサつきとゴワつきのダブルパンチに見舞われる。
つまり、柔らかさをキープするためには「お湯の温度コントロール」と「冷やし方の工夫」が絶対条件なのだ。