日本の100円ショップ業界を切り拓いた創業者・矢野博丈氏が築いた株式会社大創産業(ダイソー)のモデルは、「安かろう悪かろう」という従来の常識を力技で打ち破ってきた。その波はライバルである株式会社セリアや株式会社キャンドゥへも波及し、近年では生活雑貨だけでなく事務用品・裁断ツールの領域にまでイノベーションの波が押し寄せている。
かつて文具店で数千円を出して購入していたスライド式のペーパーカッターが、今やわずか数百円の手軽さで店頭に並ぶ。直線切りはもちろん、折り目をつける筋付け用ブレードや波型カット機能まで備えた製品が登場した背景には、金型成型技術の向上と大量生産による徹底した原価低減がある。文具コーナーの隅で静かに進行したこの変化は、個人クリエイターや現場の事務担当者の選択肢を劇的に広げた。