東アジアにおけるビジネス構造を比較する上で外せないのが、韓国の「財閥(チェボル:재벌)」です。サムスン、現代(ヒョンデ)、SK、LGなどに代表される韓国のチェボルと、日本の現代企業グループには明確な対比が存在します。
韓国のチェボルは、「現在進行形で創業者一族(オーナーファミリー)が支配権を握る中央集権組織」です。少数の保有株式でありながら、複雑な循環出資構造やグループ持ち株会社を駆使して一族がグループ全体の経営判断・人事権を強烈に統制しています。
この構造は、トップダウンによる迅速な巨額投資(半導体やEVバッテリーなど)を可能にし、グローバル市場で爆発的なシェアを獲得する原動力となった反面、後継者争いや政経癒着、中小企業の成長阻害といった社会構造的リスクを常に抱え続けています。
対照的に、日本の旧財閥系グループは1945年のGHQ指令によって一族支配のDNAが完全に切断されました。結果として、現在の日本型グループは「所有と経営の分離」が徹底されたサラリーマン経営者による合議制組織となり、独裁的な暴走が防がれる一方で、大胆な構造改革やリスク投資のスピード感では課題を残すという対照的な進化を遂げています。