東門を通り抜けた瞬間、目に飛び込んでくるのは色鮮やかな牌楼(ハイロウ)と、どこまでも続く店並みだ。日本最大規模を誇る横浜中華街はいま、歴史的な世代交代の波を迎えている。創業100年を超える老舗広東料理店が伝統の宴席料理を守るかたわら、そのすぐ隣では若き店主がプロデュースするネオ中華スタンドが長蛇の列を作っている。
「昔ながらの焼き小籠包や肉まんも健在ですが、最近は花椒を効かせたクラフトビールや、モダンにアレンジされた中華スイーツを目当てに訪れる20代が急増しています」。長年この街を見守ってきた地元振興会の関係者はそう語る。石畳の路地に鳴り響く包丁の音と、若者たちの歓声。横浜中華街の底力は、この果てしない多様性の受容にこそある。