トヨタの予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」やレクサスの「レクサス安全装備(Lexus Safety System +)」に搭載されているプリクラッシュセーフティは、追突事故や出会い頭の衝突事故を防止するために設計された先進運転支援システム(ADAS)です。
その検知システムの根幹を支えているのが、フロントガラス上部に設置された「単眼カメラ」と、フロントグリル奥に配置された「ミリ波レーダー」を組み合わせたフュージョンセンサー方式です。
単眼カメラは対象物の「形状・輪郭」を識別し、車両・歩行者・白線・道路標識などを視覚的に判別することに長けています。一方でミリ波レーダーは、電波を照射して反射波を捉えることで、対象物との「正確な距離・相対速度」を計測し、天候変化の影響を受けにくい特性を持ちます。この2つの長所を掛け合わせることで、誤検知を最小限に抑えつつ、極めて高い衝突予測精度を実現しています。
システムが作動するプロセスは、衝突までの猶予時間に応じて段階的に設計されています。
まず、衝突の危険性があると判断された場合、衝突の約1.5〜2.0秒前に車内に鋭い警告音(ブザー)が鳴り響き、マルチインフォメーションディスプレイに「ブレーキ!」と赤文字で警告が表示されます。ここでドライバーがブレーキペダルを踏み込むと、「プリクラッシュブレーキアシスト」が瞬時に介入し、踏力を油圧制御で最大化させて強力な制動力を発生させます。
ドライバーが警告に気付かずブレーキ操作を行わなかった場合には、衝突の直前(約0.8秒前)に「自動ブレーキ(プリクラッシュブレーキ)」が緊急作動します。これにより、完全な衝突回避、あるいは衝突速度を大幅に低下させて乗員や歩行者への衝撃被害を最小限に食い止めます。