一般の目には一切触れることのない、文字通り「秘儀」と呼ぶべき世界が宮中深くには存在する。それが神道の古風を色濃く残す宮中祭祀だ。皇居の奥深くに鎮座する宮中三殿において、年間数十回にわたり執り行われる祈りの儀式である。
テレビカメラも新聞記者も立ち入ることは許されない。静寂が支配する空間で、漆黒の伝統装束に身を包んだ陛下が、国家の平穏と五穀豊穣、国民の幸せをひたすら祈り続ける。古来伝わる独特の作法や祝詞の奏上は、古代から一度も途切れることなく受け継がれてきた歴史の縮図だ。華やかなニュース報道の裏に広がるこの静かな祈りこそが、皇室の精神的支柱となっている。