ここ数年、酒類流通業界を取り巻く環境は激変した。世界的なインフレや原料高、配送コストの上昇に加え、アジアや欧米における空前のSakeブームが追い風となり、国内の希少銘柄に対する需要は完全にキャパシティを超えている。
かつては「知る人ぞ知る地方の銘酒」だった銘柄が、一夜にして世界中から買い求められる存在になるケースも珍しくない。このような狂乱とも言える争奪戦の中で、公正な価格と品質管理を保ちながら本物の価値を提供し続ける専門酒屋の役割は、これまで以上に重くなっている。流通の透明性を確保し、本当に価値を理解する愛飲家へ酒を届ける取り組みが今、業界全体の試金石となっている。