なぜ人間は、上がった目元を見ると攻撃的な印象を受けやすいのだろうか。日本社会心理学会などの学術機関でも論じられる顔認知メカニズムによれば、人間の脳は直線やシャープな角度を「危険」「警戒」を連想するシグナルとして処理しやすい傾向がある。
初対面のわずか数ミリ秒で形成される第一印象において、この視覚的刺激は素早く感情の警戒アラートを打ち鳴らす。そこに加わるのが認知バイアスの一種である「確証バイアス」だ。一度「きつい人かもしれない」という予備知識や警戒心を抱くと、相手の何気ない言葉遣いや素っ気ない態度ばかりが目につき、「やっぱり性格が悪いんだ」と自分の直感を裏付けようとしてしまう。
人間関係のすれ違いは、個人の性格ではなく、人間の脳が進化の過程で身につけた視覚フィルタリング機能の誤作動によって引き起こされているケースが極めて多いのだ。