作品に生命を吹き込み、世界的な評価を決定づけたのは20世紀を代表する演奏家たちだ。ピアノソナタにおいては、ロシアの巨匠スヴャトスラフ・リヒテルによる圧倒的な打鍵と鋼の意志が今なお伝説として語り継がれている。彼の演奏は、楽譜の奥底に眠るマグマのようなエネルギーを爆発させる迫力に満ちていた。
一方、ヴァイオリン版の誕生には、大ヴァイオリニストであるデヴィッド・オイストラフの存在が不可欠だった。プロコフィエフ自身がフルートのために書いた原曲を、オイストラフのアドバイスを受けながらヴァイオリン用に改訂した歴史がある。名門レーベルのドイツ・グラモフォンをはじめとする音源には、彼らが打ち立てた「表現の極意」が刻まれており、現代の奏者たちにとっても色あせない規範であり続けている。