館内の厨房を覗くと、熟練の職人がリズミカルに麺棒を操り、鮮やかな手つきで生地を延ばしていた。ここで提供される手打ちそばの主役は、喉越しの良さと豊かな香りを両立させた二八そばだ。地元契約農家から届く良質なそば粉を石臼で丁寧に挽き、その日の気温や湿度に合わせて加水量をミリ単位で微調整する。茹で上がったばかりの麺を冷水で一気に締め、つゆにくぐらせて啜れば、野趣あふれる穀物の甘みが口いっぱいに広がる。
隣接する農産物直売所には、朝霧が残る畑から届いたばかりの新鮮野菜がずらりと並ぶ。春の山菜、夏の瑞々しい夏秋トマト、秋の恵那栗など、四季折々の恵みが並ぶスピードは圧巻だ。毎朝9時のオープン直後には、遠方からの仕入れ客や近隣住民が目当ての品を次々と手に取っていく。確実にお目当ての特産品を手に入れたいなら、午前中の早い時間帯の到着が鉄則だ。