健康志向の生活者がこの野菜に熱視線を送る最大の理由は、強力な抗酸化作用を持つスルフォラファンにある。だが、加熱方法を誤るとその恩恵は半減しかねない。
スルフォラファンは、植物組織が壊れた際にミロシナーゼという酵素が作用して生成される。この酵素は熱に弱く、長時間のボイルによって容易に失活してしまう。切った後に約4分から5分ほど放置し、あらかじめ酵素反応を進めてから短時間で強火加熱する手法が、いま分子調理や栄養学の分野で強く推奨されている。
蒸し焼き炒めの手法は、このデリケートな機能性成分をフライパンの中に閉じ込める上でも理にかなっている。水に溶け出しやすい水溶性ビタミンCの流出も最小限にとどまり、噛むほどに凝縮された青々しい旨みが口いっぱいに弾ける。