医療現場の最前線に立つ医師たちは、安易な自己流ケアや過剰な医療介入に対して一貫して慎重な姿勢を崩さない。内科医・皮膚科医としてメディアやYouTubeで正確なスキンケア情報を発信し続ける友利新氏は、過度な摩擦や強引なマッサージが肝斑や皮膚の真皮構造破壊を招く危険性を度々指摘している。皮膚科学の見地からすれば、たるみを解消しようと力を込めて皮膚を引っ張る行為は、自ら老化の引き金を引いているようなものだ。
一方、日本美容外科学会をはじめとする学会活動を通じ、日本の美容外科界を半世紀近く牽引してきた高須クリニックの高須克弥氏は、解剖学的構造を無視した施術の危険性について極めて明快な持論を展開してきた。骨格、脂肪層の厚み、皮膚の余剰、筋肉の発達度合いは人によって千差万別であり、一律の処置で美しい輪郭が手に入るはずがないという指摘は、商業主義に走りがちな業界への痛烈な批判でもある。
また、全国規模で症例を重ねる湘南美容クリニックの外科医たちも、患者一人ひとりのたるみの主因が「脂肪」なのか「皮膚の伸び」なのか、あるいは「下顎骨の後退」なのかを正確に診断することの重要性を強調する。日本美容外科学会が公表するガイドラインでも、解剖学的根拠に基づかない施術やエビデンスの乏しい民間療法への注意喚起が続けられている。専門医の視座に共通するのは、「即効性」という甘い言葉の裏にあるリスクを直視せよ、という冷厳な事実だ。